DSPという機材はかなり音質への影響が強く、肝心です。
音の質感や
ソースに含まれる奥行感、
ダイナミックレンジの再現といった
ある一定以上の水準より上の要求が必要になってきたカーオーディオ好きにとっては、やはりスピーカーの交換やアンプの交換だけではなくてその上流の機材にあたる、
ソースを読み込んだり処理したりする機材
を優れた製品を選ぶ必要があります。
その理屈から考えると、DSPというのは
ある一定以上の高いレベルの音を再生できるものでないと導入する意味がない
ということになります。DSPの取り扱いは非常に慎重で、私が取ってきたDSPのサンプルの数はたぶん多くの方でドン引きすると思います。たくさんの機材を試してみても実際に販売に至るものが無いのです。
まずは室内の日頃のリファレンスの環境でチェックをし、そこで多くの個体はボツになります。
次に、車載環境での実際の運用をして安定性を見ていくファクターをやります。車載用の機材は卓上のように平坦で安定した場所で使うものではないし、温度も車室は高温になったり冷えたりもします。電圧も安定的でないときもあれば、バッテリーを変えるとかで急に電源が喪失してしてしまうようなこともあります。
ガタゴトと振動を与えてみるとか、温度差とかそういう車載しないとわからんことが多いということです。
で、販売に至ったのは過去に3機種です。
どれもご好評を頂戴した製品でございましたが、もっと優れた製品が取り扱いの基準を通過したために今回は過去の製品を再入荷させずに新しいものをリリースできました。
Cirrus Logicのプロセッサを積んだDSPであり、チップそのものはもう歴史が長くなってきて実績も非常にたくさんあるものです。
現在の有名な同じチップを積んだDSPを挙げると人様のブランドの話になるために控えざるを得ませんけれども、とても価値のある製品です。
このチップの中にDACもADCも統合されていて、周辺のどうのこうのが音質に影響するファクターがありません。
もちろんこの手の機材は設計による巧拙が有り得ますが、今回生産を依頼した工場はこのチップも含めたくさんのCirrus Logicを扱って長くビジネスをしているために設計も抜群です。非常に良い音がします。
光デジタルの入力を受けるチップもCirrus Logicであり、ハイレゾリューションな音を入力してDSPへできます。
ぜひ光からの入力で混じり気のない濃い音をお楽しみいただきたい製品です。デジタル部はこれまでの取り扱いのDSPで一番音質が優れています。
内蔵アンプも6ch付いており、これまでに取り扱いをしたDSPの中でこちらも最も音質が良くパワーも十分です。
6chアンプですのでフロント3wayが内蔵アンプだけで作ることができ、多くの方で内蔵アンプだけでのビルドもご満足頂けるはずです。
すでにお気に入りのアンプがお有りの方には、本製品の内蔵アンプはWindowsソフトウェアからオフにすることができます。アンプレスDSP的な回路としてお使い頂くことも可能です。
実際の動作においても非常に安定的でありたいへん使いやすい製品です。ソフトウェアも軽量で、低スペックなタイプのWindowsPCや古めのWindowsPCでも動かすことが可能です。
このDSPは別売オプションのマイクをお使い頂くことで、タイムアライメントとEQの自動調整もすることができます。
あらかじめ各ユニットのクロスオーバーは入れておいて頂きましたら、静かなガレージでエンジンを止めて騒音による影響がない状況にて自動調整をしていただければ正確にタイムアライメントを取り、EQもナチュラルなカーブを描いてくれます。
何回か機能を走らせてみて数値にブレがないか見てみましたがそういったことも無く安定した信用できる機能としてお使いいただけます。
ただ、自動調整のまま聴いてお好みに合致する場合は少ないと思いますので自動調整をベースにお好みに合うように合わせてくだされば、調整に必要な時間が短縮できるはずと思います。
自動調整を使う場合には、ソフトウェアが要するPCへの負荷も大きいような感じでしたので自動調整のときはそこそこのスペックのPCがある方が良さそうです。
自動調整できるCirrus Logic 150Mhz/32bit/192khz DSPて、そういうことですか?というようなことを聞かれてもお答えできるわけがありませんのでそのご質問はご勘弁ください。
とにかく超お値打ちの素晴らしい製品です。オススメ!