2018年05月31日

ホームオーディオとカーオーディオの決定的な違い~リスニングポジションとスピーカーの設置位置について~

ホームオーディオとカーオーディオの決定的な違いとは何でしょうか


電源電圧の違い、とかは小さなことです。

私が考える決定的な違いとは、

リスニングポジションとスピーカーの設置の位置

と思っています。


ホームオーディオでは、スピーカーを理想的な位置に設置することが容易です。

普段座っている椅子から距離を計測して、左右のスピーカーを設置すれば、スピーカーの真ん中で音楽を聴くことができます。
また、大きなスピーカーを置くことも車と比べて容易です。ですので、低域から高域にいたるまで、同じ場所から鳴らすことが可能なわけです。


同じ場所からすべての音が聞こえる上に、設置の位置も理想的な状態を作れるので、

入門程度のオーディオならば、アンプとスピーカーを揃えてしまえばそれだけでかなり良い感じで音楽を聴けるというものです。




しかし、カーオーディオというものはそうではありません。


リスニングポジションは右もしくは左に偏ります。
さらに、大きなスピーカーを目の前に設置することはできません。なので、スピーカーの設置の位置を分散させて、鳴らす必要があるのです。セパレートスピーカー、はやっていますよね。それです。

音が出る位置もバラバラで、さらにスピーカーの中心で音楽も聴けないのがカーオーディオであり、そこがホームオーディオとの決定的な違いというわけです。

その違いをしっかりとわかったうえで構築するカーオーディオと、あまりそのあたりを意識しないで作ったカーオーディオでは仕上がりに差がありそうですね。いや、絶対そこのあたりを解決しないと車で良い音は聴けません。



解決策というのはたくさんあります。具体的なご提案は車種等、お車の状況を見ながら総合的に判断されるものですが、

見なくても、ほぼ確実に失敗するだろうな、と思うオーディオの設置の仕方は


サイドミラー裏にツイーターを設置して耳に向けた角度で鳴らす

というやつ。見た目はかっこいいですが、耳からスピーカーまでの距離が稼げませんし、指向性の強い音が直接耳に飛び込んできますので、タイムアライメントを合わせようとも、どうしようもないというものです。距離が稼げないので、相対的に左右の距離の差は大きなものとなります。

ツイーターが出しているような音域の音が、耳のすぐそばといっていい距離から聞こえることなんて、日常生活でないですし、音楽を聴く環境においてもあり得ません。

耳元でドラマーがシンバルを連打することがあるでしょうか。そんなことされたら、当然耳が痛くなりますよね

ツイーターはそんな音域を鳴らすスピーカーなのですから、なるべく耳からの距離は稼ぐべきですし、耳に向けて設置する必要もないということです。



また、セパレート2wayのスピーカーだとミッドバスはドアにつくことがほとんどと思いますが、大体が、ツイーターとは距離の差だけでなく高さの差と位置の差が生じています。
ですので、もう何をしようとも、人間の耳は騙せません。同じ位置から音楽が聞こえてくるようにするのは大変難しいことです。
と、いうわけで、ホームオーディオとカーオーディオの違いをわかったうえでシステム造りをしないと良い音にならないわけです。

前方に定位を持ち上げるためにセパレート2wayスピーカーは生まれました。が、きちんと意味を理解して売っている小売店やインストーラーが本当に少ないため、トンチンカンな音が量産されてしまうのです。




なので、カーオーディオとホームオーディオの違いをきちんと克服して、車でも目の前にアーテイストがいるかのような臨場感を実現するため
車音人ではしつこいくらいに、フロント3wayのカーオーディオを提案しています。
音楽のほとんどを鳴らすフルレンジスピーカーに、スーパーツイーターを追加して超高域を補い、フルレンジスピーカーではだすことのできない低域を鳴らすためのスピーカーを追加し、それでも鳴らない部分のみラゲッジルームに置くサブウーファーで補完するというものですが、

こういったシステムの場合、音を目の前に集めてくることが大変、容易になります。物理的に無理がありません。
また、音楽のおいしいところでのスピーカーのクロスオーバーがないため、響きも大変自然です。
音のつぎはぎの部分は目立たない方がいいに決まっているのです。
使用するフルレンジスピーカーの性格がそのままシステム全体の性格となるため非常に素直な音になりやすいです。

ダッシュボード上でフルレンジスピーカーを鳴らすことで、音楽のほとんどの部分が前方から聴こえてきます。

左右の距離の差については、直接音が耳に入る割合が減るように設置することでうまく調和させることが可能です。
幅が広い車などで、調和できないときにはそこではじめてタイムアライメントの出番です。
距離の差だけを埋めれば問題が解決する状態まで追い込まないと、タイムアライメントは仕事をしません。

また、このようなシステムの場合、ドアに取り付けるウーファーは200hzとか、さらに低い周波数でバッサリ切ることができますので、サブウーファー用のユニットを使ってゴリゴリの重低域を狙っていくこともできます。結果、ドアとダッシュ上の音はしっかり繋がり、高さの差や位置の差は埋まるのです。ラゲッジのサブウーファーの音も前に引っ張ってくることが可能となります。

こういったホームオーディオとカーオーディオの違いを理解して、システムを作っていけば必ず良い音が実現できるはずです。

DIYを楽しまれる方々の、一つの参考になることを祈っております。

また、沖縄でカーオーディオをご検討なさるときには、どんなことでも構いません。まずはメールからご相談ください。




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