2018年07月19日

ドアのミッドバスのクロスオーバー調整のやり方~市販のセパレートスピーカーの場合~

ドアのミッドバスのクロスオーバー調整のやり方~市販のセパレートスピーカーの場合~

ドアのミットバススピーカーのクロスオーバーの調整に苦労している方が多いようです。
私がしているやり方を少し書いてみたいと思います。
ここではパッシブクロスオーバーではなく、DSPでの方法です。ただ、周波数の決定の仕方は一緒なので参考にしていただける方がいれば幸いです。
さて、
まずは、システムの全容からドアのミッドバスの役割を考えます。
大きく分けて、3つあると思っています。
ひとつ
サブウーファーがあるかないか
ふたつ
鳴らす音量が大きいか、普通か
みっつ
リアスピーカーも鳴らしているか否か
まずはサブウーファーがある場合とない場合で考えてみたいと思います。
サブウーファーがある場合
この場合は重低音はサブウーファーに任せても良いと思いますので、ハイパスをかけてみてもいいと思います。
ハイパスの周波数は、まずはサブウーファーを止めてから、一番低い周波数から順に試してみるとよいです。
試してみて、音に変化があまりないところでハイパス周波数を高くするのは止めます。
この目的は、ドアのミッドバススピーカーであまり鳴らすことのできない重低音を最初から除いておくことで、
・ミッドバススピーカーの負担を減らす
・サブウーファーと混ざる音が濁らないようにする
・アンプの負荷も減らす
ということです。
あまりに高いハイパス周波数にしてしまうとサブウーファーと音が繋がらないばかりか、スカスカの音になってしまって音楽が成立しないため、音にあまり変化がないところをきちんと見極める必要があります。
~参考~
ミッドバスのハイパスを決めるとサブウーファーのローパスも決めることになるので、ちゃんと耳で音を聴きながら、低い周波数から徐々にローパス周波数を上げていき、重低音が[サブウーファーを設置している場所]から聴こえてきた時点で上げていくのを止めてその直前の周波数で決定します。
サブウーファーのサイズによってはローパス周波数がそもそも高く設定しないと音が鳴らないようなこともありますので、
そういったものはメルカリで売り払ってきちんとした[重低音]が鳴らせる機種を購入しましょう。
サブウーファーのサイズ別に、ローパス周波数の目安を書いてみます。もちろん、すべての機種に当てはまるわけでもないですし、エンクロージャーの設計でも全然違うのであくまで参考程度に使っていただけたら嬉しいです。
~12インチ以上のサイズの場合~
この場合はローパス周波数はどれだけ低くても大丈夫です。
むしろ、高くしすぎると分割共振や音のレスポンスに遅れが生じる等の問題も起きやすいため私は30hz以下で使います。相応のアンプの性能と、ドアのミッドバススピーカーの重低域の再生能力の高さが求められます。お金がかかりますが、良いシステムに仕上がりそうです。
ズンドコと[いかにもな感じで鳴らす]ときには50hzくらいまであげてみると腹にずっしりと響く音が実現できると思います。
~10インチクラスの場合~
このクラスの場合は40hz以下のローパスくらいが限界と思います。
~8インチクラスの場合~
80hz以下のローパス
~6.5インチクラスの場合~
120hz以下のローパス
それでは、次にサブウーファーがない場合を考えてみます。
サブウーファーがない場合は本気でドアで重低域を狙いにいく必要があります。
と、いうわけでドアのスピーカーにはハイパスなし!ハイパスしなくても鳴らせるユニットを選びましょう。車音人はこのサイズのサブウーファーユニットを確保してあります。ドアで重低域を狙いにいくためにはこういったユニットを選ばないとだめです。
ローパスの周波数は結構ラフに決めても大丈夫だったりします。
10000hzくらいの高いところから徐々に下げていき、
音がスカスカになるところまで下げていきます。
その、スカスカになったところをメモしておきます。
そこからまた、ローパス周波数を上げていき、音がモッサリとこもってくるところで止め、その周波数もメモしておきます。
この、ふたつのメモした周波数の間に最適値があります。鳴らしながらら気持ちいいところに固定すると良いですね。
ツイーターとの2wayの時にはローパス周波数は自ずと高くなります。
3wayの時には限りなくローパス周波数を低く出来ますので、分割共振等々の影響を排したクリアな音質を得ることが出来ます。
次に、
鳴らす音量が大きいときにはどうすべきか書きます。
大音量を狙いにいこうとするならば、スピーカーには苦手な音は鳴らさせず、得意な音だけ鳴らさせていくことが大事です。
ドアのスピーカーは通常、サイズが6.5インチ程度なので大音量を鳴らそうとするときには重低域をカットしてしまう必要があります。さもなくばスピーカーが焼けて壊れてしまうばかりか、音もバリバリ歪んでしまって聴けたものではなくなります。
なので、思いきって80hzくらいで思いきってハイパスしてしまって、それ以下の周波数はサブウーファーに任せると良いでしょう。
ツイーターもハイパス周波数をあげる必要がありますから、ドアのミッドバスのローパス周波数は高めになっていくはずです。
基本的に、低い周波数はパワーが強いです。大音量を鳴らそうとするときにはなるべく低い周波数を小さなサイズのスピーカーに流さないことを意識することで音割れが少なくなって、アンプのパワーを思いっきり音に変換できます。
こうやって作ったシステムは、比較的省エネ、節約、シンプル、といったような言葉が合うようになるのですが、出す音量は結構クラスを越えたものになります。
大音量を鳴らそうとするときには、低い周波数をカットして鳴らせるサブウーファーを導入することです。
~リアスピーカーも鳴らしている場合
リアスピーカーも鳴らしている場合は、フロントドアのミッドバスはハイパスはオフで良いです。
ローパスについてはなるべく低くするのが良いでしょう。
ツイーターもリアスピーカーも鳴らしながらローパス周波数を下げていき、音がスカスカになるところまで下げてみて、そこからまた周波数を上げていくと音の像が目の前に決まるところがあるはずなので、そこで止めてください。
車のオーディオは自宅以上に、クロスオーバーネットワークが大事になってきます。
これを制するもの、カーオーディオを制すると言っても過言ではないと思います。


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