2023年02月15日

【定期】カーオーディオはスピーカーの取り付け位置がバラバラということを忘れていませんか

もう個人的には二千回くらいしゃべっているように思うくらい、何回もしゃべっていることですが、

カーオーディオは各スピーカーの取り付け位置がすべてバラバラということを毎日思い出してもらいたい、という話です。

音楽の中核を鳴らすであろう6.5インチもしくは5インチはたいていがドアに付きます。

そして、中高域を鳴らすであろうツイーターや、3wayならスコーカーはたいていが目線の高さに付くでしょう。

サブウーファーは十分な再生能力を持たそうとすればシート下に埋まる系のものではなかなか厳しいのでラゲッジに置くことになるでしょう。


全部バラバラになります。

ここで、位相がどうとか、カタカナの言葉とか、そういう専門の人にしかわからない話はしたくなくて、日本語でわかりやすくしたいと思うのがこちらの立場ですのでなるべく漢字とひらがなで書いていこうと思いますが、


各スピーカー間に、

・位置の差
・距離の差
・高さの差
・前後の差

が生じます。


タイムアライメントは距離の差を補正します。音の出るタイミングを補正して、耳に届く音を仮想的にすべて同じ距離にあったスピーカーから出ているようにしようというものです。


では、他に生じている差をわからなくして理想的な状態を作ろうとするならば、

3wayなら

おそらくはツイーターとスコーカーは近い場所で耳に向いたように設置されていることが多いでしょう。

この、ツイーターとスコーカーで幅の広い帯域を破綻なく鳴らせるセットアップが必要です。
自分で聴くならば、自分が心地よい最大の音量が破綻ないようにクロスオーバーを構築します。競争するなら、そのルールにふさわしい音量を出せるようにしてください。
一般的なカーオーディオ用のスコーカーはストロークさせると過振幅が起きてしまうので、フリーエアのような状態で鳴らすにはカット周波数を下げることが出来ません。背面はシールドしてしまう感じが現実的と思います。
背面をシールドすることで、振動板は背面から空気のバネの影響を受けることになり、ストロークしにくくなります。コイルは耐えるのが多く、過振幅を抑えるとあと少し低域側にひと伸び期待できます。
おそらくピーキーになる帯域も出るでしょうが大した問題ではありません。大丈夫です。

このスコーカーとツイーターでできる限り広い帯域を鳴らしていくことで、
鳴らす音楽の中で生じる様々な差の影響を、ツイーターとスコーカーの鳴る領域の外に外すことが出来ます。

一般的なカーオーディオ用の3wayスピーカーのクロスオーバーを、【実際にそのスピーカーを繋いで】RTAすれば、
スコーカーのカット周波数を超えて中域側まで全然切れていないものが多いです。
この設計は、カーオーディオのスピーカーが設置位置がバラバラであることを考慮した設計なのではないかと思いますが
ドアはある程度上まで鳴らしてみてから望ましいところまで下げていくのが安全です。

仕上がりでドアとスコーカーの鳴っている帯域が多少被ることはあって大丈夫です。

距離の差はきちんとタイムアライメントで整えるので問題がありません。

で、ドアはしっかり下まで鳴らしているとサブウーファーも付いてきやすくなります。

音質重視のセットアップをしようとすれば、サブウーファーが持つ帯域は狭くして大丈夫です。
サブウーファーを止めても音楽が成立しているのは最低条件で、サブウーファーを鳴らすとやっぱちげぇなと思うような感じが良い感じとおもいます。

距離の差はタイムアライメントしてください。
位置の差、高さの差、前後の差とかそこらへんはタイムアライメントだけでは合わせきれないという話です。

2wayでずっと悩んでおられるならば、もうさっさと3way化してしまうのがいいのではないのかと思うのですが、そうもいかないような場合には、
ツイーターは無茶なカットで切らずにドアをしっかり鳴らして、ドアがほとんどの帯域をやっている状態で、定位が出ている状態を目指すのが楽とおもいます。

一般的な2wayスピーカーに付属のクロスオーバーで、実際のスピーカーを鳴らしてRTAすればやはりドアの中域側は想像以上に来ておらず、逆にツイーターは想像以上に高域ばかり鳴らしています。自然な作りです。
しかし、ツイーターのカットを下げることで定位を出そうとする方が多く、悩みを増やしています。

1インチ程度のドーム型振動板で歪みなく鳴らせる中域はたかが知れています。メーカーがやるような高めのカットで十分にできますので無理しないのが得策です。メーカーも真剣に製品を作っています。ツイーターのカットを下げるだけで理想的な環境にできるならとっくにやっているはずです。

あの低クロスで有名なブランドも、ツイーターは4.6khz-12db/octの特性のフィルタを付けています。これでも十分に低クロスです。


カーオーディオは各スピーカー間で位置の差も高さの差も距離の差も前後の差もあるので、それをたまに思い出してセッティングすると良いことがあるかもしれない?という記事です。




Posted by 車音人 at 22:18