2024年02月04日

【裏話】オーディオ屋が顧客の車を組む時に考えること

オーディオ屋というのは、非常にたくさんの車のオーディオを組みます。
高級店なら台数は少なく、その分時間をかけます。
安くできるお店は数をこなします。時間をかけません。

高級店に任せられる方はぜひ任せましょう。時間という替えの効かないリソースを使って良いオーディオを組んでくれます。時間が一番高いんですよ

でも、たいていそういうお店は総額100万円とか150万円とかその辺がレンジです。多くの方には出せません。

高級店でも安くできるお店でも、同じように考えていることがあります。
それはDIYでやる方も、同じように使える考え方です。


インストールする時点で、調整しやすいやり方でインストールしとく

これです。行き当たりばったりでインストールするのがDIYですから、最初からそんなふうに頭でっかちになってほしくありません。なので、最初に組むシステムはある程度進めたら全部降ろして、経験値を積んだ状態でもう一度最初からやると見違えるようにうまくいきます。

つよくてニューゲームをしたほうがいいということです。

でも、最初から経験値もたまらないうちから良い機材を使ってシステムを組んでしまえば、降ろす気にはならんでしょう。そしたら成長はそこまでになります。それでも満足してたらもうこれ以上やる必要は1ミリもありません。ありませんが、満足しているオーディオマニアは少ないです。みんな、ずっとアレコレと改善を求めて、不相応なアクセサリとかで遊ぼうとする。

そのアクセサリはハイエンダーが使うやつです。はじめてか、何回か組み上げたシステムで使うもんではない製品が市場に多い


インストールする時点で調整しやすくしとく、の具体的な例としては、

ドアはちゃんとデッドニングしとく
とか、
重くて硬いバッフルに取り付けとく
とか、
ドアにはパワーが入れられるようにしとく
とか、

スコーカーは持てる周波数帯域が広いのを選んでおく
とか、
顧客の求める音量や好きなジャンルをあらかじめ把握しておく
とか、

ツイーターは、
あんまり低いカットが前提にならない組み方をしとく
とか、
3wayなら耳に向けとく、2wayならキックパネルに入れるとか、耳から距離がちゃんと取れる設置にしとく
とか、

そこら辺を押さえておけば調整がしやすくなります。

調整がしにくい例としては、
狭い車両でミラー裏でツイーターを鳴らしていて、耳から距離がない
とか、
スピーカーに付属のペラペラなブラケットでドアスピーカーを取り付けてあるとか、
スコーカーの再生帯域にあんまり自由度がないとか、

パッシブで組まないといけないのに、時間も取れなければオーナーがパッシブを調整できるわけでもない
とか、そういう趣味でもDSPを食わず嫌いしているとか、

この辺です。


調整しなくて良いカーオーディオはなかなか少ないです。もちろん、調整だけではどうにもできません。無理です。

調整がしやすくなるための設置をあらかじめ考えて、あらかじめ調整でいじる幅を小さくすることが、



限られた環境下、与えられた時間と予算で

整ったカーオーディオを組むために必要なことです。お店は常にそういう事を考えています。
DIYもこんなの一緒だと思いますし、初めてのカーオーディオはなんでもいいから経験をとにかく積む、やってみて思ったことをちゃんと大切にして次に活かすのが大切です。
1回目は好きにやって、2回目に本気出すくらいでちょうどです。

1回目のシステムをスクラップできるように、どうせ最初から良い機材なんて使いこなせないんだから、最初は練習と思って背伸びしない楽な機材でやってたらいいですよ。中古を仲間から譲ってもらっていいと思いますし、ジャンク屋から拾ってきても良いです。
経験値が貯まれば、次のシステムでは「調整もしやすくて仕上げやすくて、好みの音があっという間に手に入る」そんなカーオーディオが楽しめます
Posted by 車音人 at 22:47